<チタンミニベロという未開の地平>
ミニベロには謎の中毒性があります。シティサイクルの延長にあるカジュアルな車体もありますがミニベロを愛するユーザーの愛車にはカスタムが施され、さらにお気に入りのアクセサリーも加えられて唯一無二のキャラクターに仕上げられていることがとても多いですね。そのような偏愛傾向が強い?ミニベロカテゴリーにチタンという更に特殊な素材を持ち込みオリジナリティ追求した車体がCICLORE Around Tiとなります。
<チタンの特性>
一般的にチタンのイメージは高額・軽量・耐腐食性という特性で纏められます。もちろんそれらはチタンの特性を表しているのですが、更に加えるなら「乗り味の上質さ」が有ると思います。
チタンは高弾性カーボンやメガチューブのアルミのように鋭くなく、また、一般的なクロモリほどおっとりしていないキャラクターで仕上げる事ができる素材です。これは競技志向とは違う意味でパフォーマンス性が高く、またスポーティーでありながら「ラグジュアリー」な乗り味を体感できることを意味します。
このラグジュアリーな乗り味こそがユーザーを虜にするとても大きな要素だとCICLOREは考えます。(詳しくは過去の投稿 チタンフレームの魅力_ブログ_REアールイー を読んでみてください)
<ベース車体としてのポテンシャル>
Around Tiは標準的な規格でフレーム設定がされており、これはマーケットの多くのパーツを取り入れてカスタムが可能という事を意味します。チタンという最上の素材を用い汎用規格で設計されたフレームはカスタムベースとしてこれ以上ないアイテムとなりユーザーの好奇心を刺激する存在となります。
ドロップハンドル、451インチアップのカーボンホイールなどスピード志向へアッセンブル変更の例
最大20 x 2.3インチまで飲み込むタイヤを活かしてバイクパッキング仕様も楽しい
<折りたためない?折りたたまない!>
ミニベロのマーケットには折りたたみ自転車(ホールディングバイク)と折りたためない自転車(いわゆるスモールバイク)があります。都市部のカジュアルな移動や輪行まで考えるとホールディングバイクはとても優秀ですし、保管場所も気にしなくて済みます。一方で折りたためないミニベロの利点はその気軽なキャラクターに加えフレームトラブルが少なく走行性能も比較的良い点だと思います。
Around Tiは後者の折りたためないフレームですが、チタンフレームの軽量性と剛性で驚くほど走行性能が高い車体となります。Around Tiはあえて折りたたまないフレームを採用する事によりミニベロのカジュアルさを持ちながらロードバイク並の運動性能を持つバイクに仕上がりました。これによりスピードやロングライドなど従来のミニベロでは少し躊躇してしまう楽しみ方を積極的に楽しめるバイクに仕上がっています。実はミニベロカテゴリーでこの折りたたまないバイクで性能を追求した車体というのはとても少なく、ハイエンドバイクのようなスペックで仕上げられたAround Tiはマーケットの中で唯一無二な存在なのかも知れません。
<職人の手仕事>
Around Tiは世界でも有数の高いチタン加工技術を持つ中国のフレーム工場で製造されます。一般的に中国のモノ造りは安価で大量生産されるイメージが有るかと思いますが、チタンはその加工性の難しさから一本一本手仕事にて職人が溶接して製作されます。職人の技術の維持には如何にコンスタントに手を動かし続け感覚を鈍らせずムラを生じさせないか、加えてしっかりとした品質管理を元に高い水準=標準として定着させる事が重要となります。Around Tiはこうした世界基準の生産背景を元にしっかり職人技が反映しフレームが製作されています。
溶接のビードも美しく高い質感が表現されています
Frame: 3AL-2.5V Titanium
Fork: Original Carbon
Headset: 34mm press-fit EC
BB: BSA 68mm threaded
O.L.D.: F/100 R /142 through axle 12mm
Break mount: Flat mount disk break
Component: Shimano 105 R7000 11S
Brake: TEKTRO hydraulic brake
Wheel: Original Carbon 406 20inch
Tire: 20 x 2.0 SCHWALBE BILLY BONKERS bronze side
Price: 385,000円(税込)